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三毛猫のオスはなぜ珍しい?その理由を超わかりやすく解説

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三毛猫のオス

 

 

招き猫のモデルにされることが多い三毛猫ですが、オスの三毛猫が希少で珍しいことは、多くの人が知っている通りです。

 

なぜ、オスの三毛猫は滅多にいないのでしょうか?

 

 

今回は、オスの三毛猫が生まれる条件を詳しく解説することで、三毛猫のオスが珍しい理由をお伝えします。

 

解説する上で、遺伝子学の難しい話なども登場しますが、生物の授業が苦手な人にも分かりやすいように、平易な表現を心掛けています。

 

 

なぜ三毛猫のオスが珍しいのか知りたい人、調べたけれどよく分からなかった人は、ぜひ読んでみてくださいね。

 

 

三毛猫とは?

三毛猫とは、白・オレンジ(茶)・黒の三色の体毛を持つ猫のことです。

 

模様によって、「三毛」「トビ三毛」「シマ三毛」などのバリエーションがあります。

 

 

また、オレンジ色の部分の色の出方が、赤っぽい、茶色っぽいなどのバリエーションもあります。

 

 

理論上は、三毛猫のオスは生まれない

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実際にはオスの三毛猫も稀に存在しますが、理論上は三毛猫のオスは出現しないことになっています。

 

その理由を知るには、毛色が決まるメカニズムについて知る必要があるので、一緒に見て行きましょう。

 

 

★毛の色は遺伝子で決まる

猫の性別を決める性染色体は、人間と同様にX染色体とY染色体があります。

 

染色体はいずれも2つで1セットとなっており、父親と母親から1つずつ、子に受け継がれます。

 

 

父親と母親の両方からX染色体を受け継いだ子の性染色体はXXとなり、性別はメスになります。

 

また、片方の親からX染色体を受け継ぎ、もう片方の親からY染色を受け継いだ個の染色体はXYとなり、性別はオスになります。

 

 

子猫の毛色を決定する遺伝子も、両親それぞれから1つずつ、合計2つ受け継ぎます。

 

両親から受け継ぐ、毛色を決める遺伝子の組み合わせによって、子猫の毛色が決定します。

 

 

猫の毛色や模様を決める遺伝子は、大まかに分けて9種類あります。

 

 

遺伝子 毛色
B遺伝子
W遺伝子
O遺伝子 オレンジ
A遺伝子  1本1本の毛を縞模様にするか、単色にするかを決める
C遺伝子 色の場所と濃さを決める
D遺伝子 毛の色を薄める
I遺伝子 毛の根元の色を薄くする
T遺伝子 縞模様の形を決める
S遺伝子 お腹と足先に白い模様を出す

 

 

また、上記の遺伝子の種類ごとに、優性遺伝子(子の特徴に現れやすい)と劣性遺伝子(子の特徴に現れにくい)があります。

 

 

優性遺伝子は大文字で表し、劣性遺伝子は小文字で表します。

 

例えば、毛色がオレンジになるO遺伝子は、優性遺伝子は「O」、劣性遺伝子は「o」と示します。

 

 

これらの遺伝子を、両親からどの組み合わせで受け継ぐかで、子猫の毛色が決まります。

 

例えば、片方の親から「W遺伝子(優性の白)」、もう片方の親から「b遺伝子(劣性の黒)」を受け継ぐと、子の遺伝子は「Wb」となります。

 

 

この組み合わせの場合は「できれば黒にしたいんですけども…」と言う遺伝子も持っていますが、「とにかく白だ!他の色は許さん!」と言う遺伝子の方が強いので、全身真っ白な子猫が生まれます。

 

 

上の例と同じように「b遺伝子(劣性の黒)」を持っていても、組み合わさるのが「dd(色を薄める・劣性)」の場合は、子猫の毛色はラベンダーになります。

 

 

★三毛猫になるには「Oo」の遺伝子が必要

子猫が三毛猫になるには、

 

「ww(他の色が発現)」+「SSまたはSs(白い模様が発現)」+「Oo(オレンジ色が発現)」

 

の3組の遺伝子を持って生まれる必要があります。

 

しかし、この3組の遺伝子のうち、「Oo」を受け継げるのはメスの子猫だけです。

 

 

毛色を決める遺伝子は通常、常染色体上にあります。

 

常染色体とは、性染色体以外の染色体のことです。

 

ですが、オレンジ色の発現に関わるO遺伝子(Oまたはo)だけは例外で、性染色体であるX染色体上にあります

 

 

三毛猫が生まれるには、オレンジ色の発現に関わる遺伝子の組み合わせが「Oo」でなければならないので、X染色体を2つ持っている=メスであることが条件になります。

 

オスの性染色体はXYなので、O(優性のオレンジ)かo(劣性のオレンジ)のどちらか片方しか受け継ぐことができません。

 

 

オスの子猫はOとoが両方揃った「Oo」の組み合わせの遺伝子は持てないので、理論上はオスの三毛猫は生まれないことになります。

 

 

オスの三毛猫が生まれるのは染色体異常

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ですが、少数ながらも三毛猫のオスは存在しています。

 

理論上は存在しないはずの、オスの三毛猫が生まれるのはなぜでしょうか?

 

 

性染色体はXXまたはXYのどちらかと決まっているので、通常は1匹の猫に2つしかありません。

 

ですが、稀に3つ以上の性染色体を持って生まれる猫がいます

 

性染色体を3つ以上になってしまう染色体異常を、「クラインシェルター症候群」と言います。

 

 

クラインシェルター症候群のオス猫の性染色体は、「XXY」「XX+XY」となっていて、オスでもX染色体を2つ以上持っているので、メスと同じように「Oo」の組み合わせで遺伝子を受け継ぐことが可能です。

 

 

染色体異常が起こることで、理論上は存在しないはずのオスの三毛猫が生まれるのです。

 

ですが、クラインシェルター症候群の猫が生まれる確率は3万匹に1匹なので、オスの三毛猫が生まれるのは、きわめて稀なケースです。

 

 

オスの三毛猫は生殖能力がない

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クラインシェルター症候群のオスは、作られる精子の数が極端に少ないため、生殖能力を持たない個体がほとんどです。

 

 

クラインシェルター症候群でも、モザイクや遺伝子乗り換えの個体の場合は、生殖能力を持っていることもあります。

 

モザイクとは、1匹の猫に異常な染色体を持つ細胞と、正常な染色体を持つ細胞が共存していることです。

 

 

また、遺伝子乗り換えとは、別々の染色体同士で一部が交換されて、ツギハギになっていることです。

 

 

生殖能力を持つオスの三毛猫が生まれるには、発症率が低いクラインシェルター症候群であることに加えて、モザイクまたは遺伝子乗り換えであることが条件になります。

 

そのため、生殖能力を持つオスの三毛猫は滅多に生まれません。

 

 

これまでに生殖能力を持つオスの三毛猫が確認されているのは、世界でも数例程度です。

 

ちなみに、生殖能力を持つオスの三毛猫を交配させても、三毛猫のオスが生まれる確率は、他の毛色の猫を交配させた場合と変わりません。

 

 

 

 

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